人気ブログランキング | 話題のタグを見る

やわらかな風に包まれて


by maruisora

玄さんのはなし

先日届いた冊子に、「新宿歌舞伎町の駆け込み寺の玄さん」という方と会われた方が、
玄さんについての話を載せていました。

玄さんは生まれてから45年間やさぐれ人生…
すさまじいまでの欲望と金と修羅の45年だったそうです。
そんな玄さんが、献血でHTLV-Iキャリア(白血病ウィルス未発症)わかり、
その瞬間、それまでの人生の手のひらが180度ひっくり返ったとのこと。
やっていた事業を全て放り出しかけ込み寺を作ったそうです。
ちなみに、HTLV-IキャリアをHIVだと思い間違いしたとのこと。宇宙のドラマって…。

玄さんの元に訪れる人は殆どがDVなどで苦しみを抱えている方々…
DVの相手がヤクザさんであることも多いそうです。
玄さんは「短期間」で解決することにワクワクしたり、
相手がヤクザさんだと「こいつからはエネルギーがたくさんもらえる」ワクワクするとか。

玄さんにとって一回一回が勝負。
30分~40分の面談で相手に気づきを与え決着をつけてしまうのだそうです。
訪れるほとんどの人は、最初の10分は泣いているとか。
まずは10分間泣くにまかせ、
次の10分で5時間かけても語り尽くせないであろう相手のライフストーリーを聞き出し、
残りの10分で相手に「気づき」を与える言葉を話しかけるそうです。
「安心感」を与えるケースもあれば、「突き放す」ケースもある。
そして、時には相談者を追いかけてきたヤクザさんにも気づきを与えてしまうとか。

玄さんが短期間で解決の一歩が踏み出せる理由について、こう書かれていました。

〈彼の言葉が「届く」からだ。ありとあらゆる辛酸、ありとあらゆる悪、
ありとあらゆる人の裏、社会の裏を見てきたものだけが、
ひりひりするような現実を生きている相談者の心に深い印象を残す。
彼の言葉を聴いていると、本当に言葉とは、想いというエネルギーの上に
言葉という仕組みが乗っているだけなのだと思い知らされる。
45年の修羅の手のひらが返ったあとは、彼は日々「一日一生」を生きている。
ということは、明日でもない、昨日でもない、本日只今を常に生きているわけだ。
別に流行の本を読んだわけではなく、自然に至った。
明日こうしようとも思わず、昨日こうすればよかったとも思わず、
夜の11時半に就寝するらしいのだが、そこで彼の1日は完全に終わり、
次の朝起きると、またまったく別の新しい自分が、まったく新しい1日をはじめるのだという〉

〈なぜ彼がそんなに力があるのかというと、
彼は常に「無」であるという内的な感覚をもっており、
「一日一生」を本当に生きているからだ。〉

by maruisora | 2009-03-14 06:40 | ことばとの出会い